以前からコレステロール値が上昇するから卵は1日1個以上食べてはいけないと言われていませんでしたか?
そもそもコレステロールとはいったい何でしょう?
コレステロールに悪玉、善玉があるのはなぜ?
卵は1個以上食べても良いの?
厚生労働省は2015年に食事から摂取するコレステロール値の上限を撤廃しました。
その理由はいったい何でしょうか?
今回はコレステロールについての誤解や、疑問など最新の研究を踏まえて検証していきます。
コレステロールとは何?
人間の体には4種類の脂質があり、コレステロールはその中の一つです。
コレステロール以外の4種類の脂質には、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸があります。
コレステロールはすべて健康に悪いものと勘違いされる人がいますが、大きな間違いです。
4種類の脂質はすべて身体にとって重要な役割があります。
コレステロールは新しい細胞や免疫細胞の膜が作られる際の材料になります。またコレステロールは脂肪を消化・吸収する胆汁酸を作る上で必要なものです。
コレステロールは肝臓で作られます。食事からもコレステロールは摂取されますが、その割合は2~3割程度です。食事からのコレステロールの不足分を肝臓が補って作っているのです。
食事からのコレステロール値の上限を撤廃した理由
食事から摂取するコレステロールが少ないこともありますが、「食事からコレステロールを減らすことで血中のコレステロール値が減るという確かな科学的根拠が見当たらない」ということらしいです。
アメリカでも2013年に心臓病学会が明確な根拠が無いという理由でコレステロールの摂取制限を設けないことにしました。
悪玉コレステロール、善玉コレステロールとは?
コレステロールにはHDLとLDLの2種類があり、HDLコレステロールを善玉、LDLコレステロールを悪玉と呼んでいます。
コレステロールが重要であることはわかりましたが、善玉、悪玉とはどこが善と悪なのですか?
HDLやLDLはコレステロールを運ぶカプセルのようなものです。
LDLはコレステロールを全身の細胞に運んでいますが、使われなかったコレステロールも置いていきます。それが血管壁に蓄積していき、動脈硬化の元になるためLDLを悪玉と呼んでいます。
一方、HDLは血管壁に使われずに溜まったコレステロールを回収して肝臓に戻す役目をしています。そのため、HDLは善玉と呼ばれています。
このように単純に悪玉、善玉と区別することに意味がありません。
コレステロールを運ぶ役目のLDLが無くなればそれこそ健康に支障がでることになります。
最近の研究では動脈硬化の進行は活性酸素による酸化LDLコレステロールが原因であることが分かってきました。
LDLの値が140mg/dl以上--→高LDLコレステロール血症
HDLの値が40mg/dl未満--→低HDLコレステロール血症
このように脂質異常症と診断されます。
コレステロールと今後どう向き合うか
LDL値が高かったり、HDL値が低かった場合はどうすればいいのですか?
LDL値を下げる。HDL値を上げる。
このように脂質を正常にすることも重要ですが、活性酸素による酸化LDLコレステロールを防ぐことが最優先です。
活性酸素を減らす
活性酸素は喫煙や飲酒、生活習慣の乱れから増加します。
活性酸素を抑えるには禁煙、適量の酒、ストレス発散、適度な運動、バランスの良い食事が求められます。
活性酸素を抑えるには抗酸化物質を多く含む食材を料理に取り入れると良いでしょう。
抗酸化食材はLDLを減らす食材が多いです。
抗酸化食材はこちらを参考 >>> 身体の抗酸化力を増やす
HDL値を増やす
※運動
HDL値を増やすには運動が効果的です。特に早歩きがお勧めです。歩数が多いほどHDL値が増えるそうですから頑張って歩いてください。
※食材
HDL値を増やす食材としては青魚に含まれるDHA、EPAが有名です。LDL値と中性脂肪も減らす効果があります。エゴマ油やアマニ油もHDL値を増やします。
黒ニンニクも青魚と同じようにHDL値を上げ、LDL値と中性脂肪を減らし、抗酸化作用が大きい食材です。
まとめ
コレステロールには善玉と飛ばれるHDLコレステロールと、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールがあります。この二つのコレステロールはどちらも身体になくてはならない重要なものです。
動脈硬化になると思われているLDLですが、動脈硬化の原因になるのは活性酸素による酸化LDLコレステロールでした。
動脈硬化の恐れのある脂質異常症を防ぐには、活性酸素を減らしHDLコレステロールを増やすように食事や生活習慣を改善することがとても重要です。
これまでは血中の総コレステロール値を基準にしていたが、現在はLDL値を診断の基準にしているそうだ!
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