熱中症!命を救う知っておく知識

熱中症の爺さん

長い梅雨が終わると厳しい暑さの夏の季節です。
連日35度前後の酷暑がつづくことも良くある話です。

こんな暑い時期に気になることは熱中症です。
夏になると毎日のように熱中症の死亡事故が報道されています。

しかし、熱中症について詳しいことを知っているかというと、多くの人は水分や塩分が不足する症状とか、体温が上がりすぎるとなる症状と言った知識しかないのでは?

また、新型コロナウィルスと初期症状が似ているので、緊急医療の現場では見極めが難しい点も指摘されています。
熱中症とはどのような病気なのか、その対策はどうすればいいのかについて検証します。

熱中症とはどんな病気なのか

熱中症とは、高い気温の環境下にいるため体温調節機能が狂ったり、水分や塩分不足が原因の頭痛や吐き気、めまい、意識障害などの症状をいいます。

高温多湿の環境下や激しい運動などが長時間続くと体温調節ができなくなり、そのため体温が上昇し大量の発汗で水分、塩分が失われ脱水症状になり益々体温が上がります。

体温が異常に上がると多くの臓器が機能しなくなり最悪の場合死に至ります

特に注意すべきは子供と高齢者

熱中症になり易いのは子供と高齢者です。
その理由は

※子供
汗腺など体温調節機能がまだ完全ではない
冬でも温めすぎで熱中症になることがある

※高齢者
体温調節機能が衰えており、暑さや喉の渇きに鈍感
室内でも冷房を我慢して知らぬ間に熱中症になることがある

泣いている赤ん坊

熱中症に関する報道で子供や高齢者が多いのは熱中症になり易いからなのです。
子供は親が常に注意して熱中症の症状がでてないか監視しなければなりません。

高齢者は同居家族の気配りやご近所の方の見守りが不可欠です。

熱中症と新型コロナウィルス 症状の見分け

熱中症の初期症状は新型コロナウィルスと良く似ています。
しかし、熱中症は放っておくと死に至るため、一刻を争う病気です。
だから熱中症の症状を見極める知識を持つことは重要です。

症状  熱中症  新型コロナウィルス
全身倦怠感、頭痛、吐き気
筋肉痛、関節痛、発熱
痙攣やめまい
味覚障害、嗅覚障害
咳などの呼吸器症状
×

実は医師でも熱中症と新型コロナウィルスを完全に見分けることは難しいと言います。
しかし、熱中症は重度になると死に至るため緊急を要します。

熱中症の症状

熱中症は緊急搬送を要するものから現場で応急処置で済むものまで程度により大まかに3つに分かれます。

 程度  緊急度 症状
Ⅲ度 重症緊急入院
集中治療が必要
意識障害、異常行動、全身の痙攣
呼びかけに反応しない、意識もうろう
Ⅱ度 中症病院搬送が必要めまい、疲労、虚脱、頭痛、失神、吐き気、嘔吐など
これらががいくつも起きている状態
Ⅰ度 軽症現場で応急処置軽い失神、立ち眩み、痙攣
救急車を呼ぶ男性

Ⅲ度の重症の場合は命の危険が迫っています。すぐに救急搬送する必要があります。

しかし、救急車を呼ぶ呼ばないにかかわらず現場では速やかな処置が必要です。

熱中症の時の速やかな対処

救急車を呼んだ場合でも到着を待つ間するべきことがあります。

★涼しい場所へ移動
暑い場所にそのまま放置していてはいけません。なるべく涼しいところへ移動してください。

★身体を冷す
衣服を脱がせたり風を当てたり水や氷を当てるなどして体を冷やします。

★スポーツドリンク、水の補給
汗で失われた水分や塩分を補給するため電解質を含んだ飲み物を与えます。一番良いのはスポーツドリンクですが、なければ水を与えます。

Ⅰ度の軽症者の場合はこの応急処置で済む場合もありますし、重度の場合で熱中症の進行を止めるためにも現場での対応は重要です。

熱中症と間違えやすい夏血栓

暑がっている男性

熱中症と似た症状を引き起こす夏血栓という症状があります。
夏血栓は病気ではありませんが。対処方法を間違えると脳梗塞になる恐れがあります。

夏血栓とは?

夏血栓とは汗をかくことで血液の水分量が減少し、ドロドロの状態になるため血栓(血の塊)ができ血流を滞留させる状態のことです。

夏血栓になるといろんな病気を引き起こす恐れがありますが、その中でも熱中症に良く似た症状を起こす「一過性脳虚血発作」という病気があります。

一過性脳虚血発作の症状は手足が麻痺したりめまいがするなど、熱中症と似ています。
しかし、特徴は片側だけに症状が起きるということです。

片側だけしびれたり、目が見えにくくなったりする時は要注意です。
時間がたつと良くなるので熱中症だと思い治ったと勘違いしてしまいますが、実際は一時的に血栓が取れただけです。

そのまま放置しておくと早い人で数日以内に、遅くて2、3ヶ月の間に脳梗塞になる恐れがあります。
夏血栓の2~3割の人に脳梗塞になる恐れがありますので、夏血栓を疑ったらすぐに病院に行ってください。

まとめ

熱中症は新型コロナと良く似た症状ですが、重度の場合は命にかかわります。
また、熱中症に似た症状の夏血栓も要注意です。

熱中症は誰でも起きることでもあり、どこでも遭遇する病気です。
ここに記載された知識を理解して緊急の時に備えたいものです。

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